フルリモートの仕事と、プロ麻雀・音楽・筋トレをどう両立しているか
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2026年9月30日更新
「趣味に使う時間なんてない」
その気持ち、よく分かります。本業では、Vercelでアジア太平洋・日本(APJ)のカスタマーサクセスチームを率いていて、2025年からは日本の暫定カントリーマネージャーも務めています。本社はサンフランシスコで、私は大阪からフルリモートで働いています。決してのんびりした仕事ではありません。
仕事以外では、日本プロ麻雀協会のプロとしてリーグ戦に出ています。リーガロイヤルホテル大阪では、土田浩翔プロの麻雀教室でアシスタントを担当。2024年7月からは、仲林圭プロのYouTubeチャンネルで、夜にMリーグの英語同時通訳もしています。そのうえ、ピアノを弾いて、歌って、筋トレまでしています。
とはいえ、私の一日が人より長いわけではありません。手放したのは、「全部を毎週ちゃんとやる」という考え方の方です。ここから先は、それを実際にどう回しているのかを、うまくいっていない部分も含めて書いていきます。
決まった予定から先に入れる
趣味の中には、日程を他の人が決めるものがあります。リーグ戦の日、教室、Mリーグのシーズン(秋から春まで)。こうした予定は日程が分かった時点でカレンダーに入れ、チームからも見える形で押さえます。お客様との打ち合わせと同じ扱いです。非公開の予定にしておくと上から会議を入れられてしまいますが、それは入れた人の方が正しいです。
大阪からサンフランシスコの会社で働いていると、一日の流れはある程度決まってきます。カリフォルニアと時間が重なるのは私の午前中、日本のお客様とは日中、そしてMリーグは夜。理屈の上では収まります。
実際に収まるのは、仕事の終わりがきっちり決まっている日だけです。こちらの準備ができていようがいまいが始まる配信は、今のところ一番確実な「終業時間」になっています。
リモートワークでは、通勤がなくなると同時に、オフィスを出るという区切りもなくなります。一日の終わりを教えてくれるものがないので、何か別のもので区切るしかありません。
疲れ方の種類で分けて考える
通訳の1時間とピアノの1時間では、消耗の仕方がまったく違います。
私の分け方は、だいたいこんな感じです。
| 疲れ方 | 当てはまるもの |
|---|---|
| 頭を使う | 仕事、リーグ戦、同時通訳 |
| 人と接する | 教室のアシスタント、大会の審判、お客様との打ち合わせ |
| 体を使う | 筋トレ |
| むしろ回復する | ピアノと歌(たいていの日は) |
一番重いのは通訳です。仲林プロが日本語で解説し、それを私がその場で英語にします。打牌一つで展開ががらりと変わるゲームを、初心者から私より詳しい方まで見ている前で、です。会議通訳の方は普通2人1組で、30分ほどで交代するそうですが、それにはちゃんと理由があるのだと思います。
ですから、頭を使う予定は2つ続けて入れない、というのが私のルールです。例外は、どちらかが動かせないとき。配信は動かせないので、配信の日は残りの予定の方を調整します。
それから、睡眠です。2009年に、自分の麻雀ブログにスペイン語で「打つときは、しっかり目が覚めていて落ち着いていることが大切」と書きました。これは通訳にも、リーグ戦にも、サンフランシスコとの朝の会議にも、そのまま当てはまります。睡眠だけは削らないでください。
どの趣味にも「最小版」を用意する
仕事に全部持っていかれる週もあります。イベント、四半期末、今すぐ対応が必要なお客様。そういう週は必ず来ますし、来ないふりをしていると、趣味はいつの間にか消えていきます。
そこで役に立つのが、忙しい週でもできるくらい小さな「最小版」を決めておくことです。
- 麻雀: 打つ代わりに、牌譜を1半荘分だけ見返す。
- ピアノ: 10分だけ。目標は立てない。
- 歌: お風呂で歌うのもカウントします。確認済みです。
- 筋トレ: メインの種目だけの短いメニュー。
ゼロから再開するのは、細く続けるよりずっと大変です。ピアノを2週間休んでも何ともありませんが、2か月空くと、ピアノの前に座るたびに自分と交渉することになります。
ピアノと歌には順位がいらない
J-ROCKとヴィジュアル系が大好きで、ピアノも歌もまだまだ勉強中です。私がやっていることには、たいてい点数が付いて回ります。麻雀にはリーグの順位も天鳳の段位もありますし、仕事には目標と四半期があります。ピアノと歌にはそれがなく、付けるつもりもありません。
そのぶん、一番後回しにされやすくもあります。ピアノの前で私を待っている人はいないので、カレンダーが埋まると真っ先に押し出されてしまいます。対策は地味で、ほかの予定と同じように固定の枠を作り、「誰とも会わない約束」として扱うことです。
筋トレはGACKTさんのアドバイスから
2017年にGACKTさんにお会いする機会があり、そのアドバイスがきっかけで筋トレを始めました。ヴィジュアル系好きとしては、お会いできただけでも十分すぎる出来事です。GACKTさんに勧められたら、始めるしかありません。
それから9年、今ではほかの趣味を支える趣味になっています。リモートワークだと一日中家から出ない日もありますし、麻雀は何時間もじっと座っているゲームです。そのバランスを取ってくれるのが筋トレです。メニューを教えることはできません。私にその資格はありませんし、GACKTさんはお忙しいので。
仕事の役に立っているのか
「麻雀は実はマネジメント研修だった」という話にはしたくありません。基本的には、好きだからやっています。とはいえ、本当に重なっている部分もいくつかあります。
通訳と今の仕事では、同じ力を使います。日本語で聞いたことを、その場にいなかった人にも分かる英語にする力です。昼は日本のお客様のことをグローバルのチームに説明し、夜は、なぜこのプロが和了りまであと一歩の手を崩してオリたのかを説明しています。
麻雀は毎回、点数という形で結果が出て、言い訳の余地がありません。リーグ戦で負けた日は、大変な会議も小さなことに思えます。もっとも、勝った日も小さく思えるので、単に気の持ちようかもしれません。
一番効いているのは、終わりの時間が決まっていることです。終わりが決まっている日は、だいたい良い一日になります。
(Mリーグの英語配信についてのニュースやインタビューは、登壇ページにまとめています。)
来週のカレンダーを開いてみてください。あなたの趣味のうち、ちゃんと枠があるのはどれで、空き時間ができるのを待ったままなのはどれでしょうか。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。